SSブログ

鴻山の「妖怪山水図」(鬼母手挈樽) [高井鴻山]

その二 鬼母手挈樽

鴻山一.jpg

「妖怪図」墨 紙本 一三六×六六cm

鬼母手に樽を挈(ひっさ)げ → 鬼母は手に酒樽を引っさげ
背に零児之を負い → 背に鬼子を背負い
鬼児呱々と泣く  → その鬼子は産声をあげ泣いている
鬼隣路を照して飛ぶ →鬼は隣路を照らしながら飛んでいる

「鴻山思いを過去にめぐらし、高井家の
盛時を追想し、家・国・民人のために致
したる跡を追憶し、而して現時の政情を
具(つぶさ)に視、さらに自己の境遇に
思い及ぶとき、幻影(げんえい)たちま
ち出現し、眠ればたちまち幻夢(げんむ)
を見る。妖怪画の巧を加うるはその風刺
と嘲罵(ちょうば)と鬱憤(うっぷん)
との噴出ますます盛んなるを示すととも
に、その裏面には深き感慨の潜在するも
のあるを見逃すべからず。」
岩崎長思は『高井鴻山小伝(岩崎長思)』

共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。