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北斎の狂句(その六) [北斎の狂句]

その六 屁でもない事雪隠で考へる

屁(へ)でもない事(こと)雪隠(せっちん)で考へる 万仁 文化八年(『柳多留』五四篇)

https://www.fleapedia.com/%E4%BA%94%E5%8D%81%E9%9F%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/%E3%81%B8/%E5%B1%81%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%AF-%E6%84%8F%E5%91%B3/

●屁(へ)でもない=屁でもないとは、あるものごとが、屁にも値しないほどとるに足らない、問題にならないという意味。与えられた仕事が容易であると感じられたとき、「こんな仕事、屁でもない」などと用い、自身の能力の高さを相対的に誇る言い方となる。しかし、確かに「屁でもな」ければ、まったく問題にならないことには違いないが、仮に「屁であ」ったとしてもたいした問題ではないので、さほど自分の実力をアピールする言葉にはならないと思う。
 「屁でもない」に似た言い方に「屁のカッパ」「朝飯前」などがある。「屁のカッパ」は「屁」で共通しているが、なんで「カッパ」なのかよくわからないのでいまはあまり用いられていない。「朝飯前」は「屁でもない」よりはややお上品であるが、いずれにしても、与えられた仕事やライバルを甘くみて、根拠のない自信をいだくこと自体があまりお上品な態度とはいえない。(「笑える 国語辞典」)

句意=雪隠に入ると、「ウーンウーン」と、「屁のカッパ」の「カッパの屁」は、「臭いのか? 臭くないのか?」などと、「屁でもない」ことを考えている。
 ロダンの「考える人」は、「ウンチする格好で、何かを考えているのではなく、何かを見詰めている」というのが、ロダンの、この作品の真相のようだと、画狂老人卍に非ず、「万仁」という狂句捻りが言っていた。

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post.html

「考える人」(「ウィキペディア)」
作者 オーギュスト・ロダン
製作年 1902
所蔵 ロダン美術館、パリ

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post.html

「杣人と雁(部分図)・北斎筆」(「信州小布施 北斎館」蔵)
紙本著色 一幅 印=よしの山 113.5×34.4㎝

(雪隠)=一茶「雪隠・二十三句」

http://ohh.sisos.co.jp/cgi-bin/openhh/jsearch.cgi

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(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post.html

「北斎漫画 十二編」(26/32)所収「屎(くそ)別所(?)」
http://kawasaki.iri-project.org/content/?doi=0447544/01800000H0

 この北斎の画は、裃を付けた立派な武士が、「雪隠」を借りて「用を足している」。お供の者は、外で、「クサイ クサイ」と「鼻ヲツマンデイル」。これぞ、「北斎漫画」という図柄である。左下端の文字は、「屎別所?」か「屎別恥?」か、「屎別所」として置きたい。
 この北斎の図には、一茶の、次の句などが的を射ている。

※梅さくや雪隠の外の刀持(かたなもち)
※はつ雪や雪隠の供の小でうちん(提灯)
※はつ雪やどなたが這入る野雪隠
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