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北斎の狂句(その八) [北斎の狂句]

その八 酒なくて見れハさくらも河童の屁  

酒なくて見れハ(ば)さくらも河童の屁  錦袋 文政二(『柳多留七十一篇』)

●「酒なくてなんの己(おのれ)が桜かな」の捩り=「花より団子、楽しくなければ風流を気取っても仕方がない。とにかくまあ一杯というだけのこと。ただし、桜に「おのれ」と呼びかけているのだから、すでに酔っているのかもしれない。」(出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」)

句意=花見に酒が無いと、ご覧なさい、この爛漫と咲き誇っている桜の花も、そうそう、「河童の屁」(「水中の屁は勢いがない」=「屁の河童」)のように、一寸も見栄えがしないね!!! これは、これ、景気づけに、俺さま、卍の、「デッカク、クセエー、クセエー屁(おなら)」をくらましてやるか!!!

一茶の「花見の句(六十句)

http://ohh.sisos.co.jp/cgi-bin/openhh/jsearch.cgi?group=hirarajp&dbi=20140103235455_20140104001012&s_entry=0&se0=6&sf0=0&sk0=%89%d4%8c%a9

1 剃捨(すて)て花見の真似やひのき笠    春/植物/花/寛政句帖/寛政4
2 蛇出て兵者(つわもの)を撰(え)る花見哉 春/植物/花/寛政句帖/ 寛政5
3 高山や花見序(ついで)の寺参り 春/ 植物/花寛政句帖/ 寛政6
4 桃柳庇(ひさし)ひさしの花見かな    春/ 植物/花/ 西国紀行/寛政7
5 活(いき)て居る人をかぞへて花見哉 春/植物/花/西紀書込/ 寛政中
6 片脇に息をころして花見哉 春/植物/花/享和句帖/享和3
7 いづかたの花見なるべし野辺の雨 春/植物/花/文化句帖/ 文化1
8 花見るもあぶなげのない所哉 春/植物/花/文化句帖/文化2
9 貧乏人花見ぬ春はなかりけり 春/植物/花/文化句帖/文化4
10又しても橋銭かする花見哉 春/植物/花/文化句帖/ 文化5
11けふこそは地獄の衆も花見哉 春/植物/花/七番日記/ 文化9
20世(の)中は地獄の上の花見哉 春/植物/花/七番日記/文化9
21大原や丁(字)に寝たる花見連(づれ)    春/植物/花/ 七番日記/文化10
22柴門(しばかど)やしもくに寝たる花見連  春/ 植物/花/ 遺稿/
23女供はわらん(ぢ)がけの花見哉 春/ 植物/花/ 七番日記/文化10
24わらんじのぐあひ苦になる花見哉 春/ 植物/花/ 浅黄空
25天邪鬼(あまのじゃく)踏れたまゝで花見哉 春/ 植物/花/ 七番日記/文化11
26花見るも役目也けり老にけり 春/ 植物/花/ 七番日記/文化11
27君がため不性ふしように花見哉        春/ 植物/花/ 七番日記/文化12
28けふは花見まじ未来がおそろしき 春/植物/花/七番日記/文政1
29花見まじ 未来の程がおそろしき 春/ 植物/花/ 七番日記文政1
30けふは花見るや未来がおそろしき 春/ 植物/花/ 浅黄空他
31ない袖を振て見せみせ花見哉        春/ 植物/花/ 七番日記/文政1
32赤髪にきせるをさして花見哉 春/ 植物/花/ 八番日記/文政3
33親と子がぶんぶんに行(ゆく)花見哉    春/ 植物/花/ 梅塵八番/文政3
34草庵に来てはこそこそ花見哉        春/ 植物/花/ 八番日記/文政3
35草庵に来てはくつろぐ花見哉 春/ 植物/花/ 梅塵八番
36団子など商ひながら花見哉 春/植物/花 /八番日記/文政4
37どこそこや点(てん)かけておく花見の日   春/植物/花/八番日記/文政4
38何事もなくて花見る春も哉 春/ 植物/花/ 八番日記/文政4
39何者(の)花見や脇よれわきよれと    春/ 植物/花/ 八番日記/文政4
40花見んと致せば下にした哉        春/ 植物/花/ 八番日記/文政4
41今の世や花見がてらの小盗人(こぬすびと ) 春/ 植物/花/ 文政句帖/文政5
42京迄は一筋道ぞ花見笠 春/ 植物/花/ 文政句帖/文政5
43ことしきりなどゝいふ也花見笠 春/ 植物/花/ 文政句帖/文政5
44さそはれてきり一ぺんの花見哉   春/植物/花/文政句帖/文政5
45寝て待(まつ)や切手(きりて)をもたぬ花見衆  春/植物/花/文政句帖/文政5
46花見せん娑婆(しゃば)逗留の其中(そのうち)は 春/植物/花/文政句帖/文政5
47迷子札(ふだ)爺(じい)もさげて花見笠  春/植物/花/文政句帖/文政5
48焼飯(やきめし)をてんで(に)かぢる花見哉 春/植物/花/文政句帖/文政5
49馬乗(うまのり)や花見の中を一文字  春/植物/ 花/文政句帖/文政7
50 江戸声や花見の果(はて)のけん花かひ     春/植物/ 花/文政句帖/文政7
51二度目(には)病気をつかふ花見哉 春/植物/ 花/文政句帖/文政7
52次の日は病気をつかふ花見哉 春/植物/花/文政句帖/文政8
53二仏(にぶつ)の中間(ちゅうげん)に生れて花見哉 春/植物/花/文政句帖/文政
54花見るも銭(ぜに)をとらるゝ都哉 春/植物/花/文政句帖/文政7
55ぶらぶらと不断の形(なり)で花見哉     春/植物/花/文政句帖/文政7
56宮人(みやびと)は歯に絹きせる花見哉     春/植物/花/文政句帖/文政7
57あつさりとあさぎ頭巾(ずきん)の花見哉   春/植物/花/文政句帖/文政8
58今の世や猫も杓子も花見笠           春/植物/花/文政九十句写/文政9
59おどされた犬のまねして花見哉 春/植物/花/文政九十句写/文政9
60ぢゝ犬におどされて散る花見哉    春/植物/花/文政九十句写/文政9

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

冨嶽三十六景《東海道品川御殿山ノ不二》(「東京富士美術館」蔵)
葛飾北斎 (1760-1849) 天保元−天保3年(1830-32)頃 木版多色刷 25.3×37.7cm
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/252959
『(解説)
品川区北品川町三丁目あたりとされる。現在はこの丘陵は取り壊されて地名に残るだけとなったが、広重の『名所江戸百景』には、その形がよくわかる版図がある。江戸時代に桜の木が植樹され、花見の名所として広く知られ大いに賑わったようである。この図にも、画面左下に見える品川の宿に面した御殿山の丘陵で、花見を楽しむ人々の情景が描かれている。酒を酌み交わす者、稚児を肩車する男や背負う女、扇を手におどける男たち。女をからかう坊主頭の男が背負う風呂敷には、ここにも山型に巴紋の永寿堂の家紋が入っている。この男、「五百らかん寺さざゐ堂」にも登場した男と同一人物のようだ。品川沖に見える海には版木の木目を利用した波の表現が巧みに施されている。北斎の制作に応えた彫師の力量も、また素晴らしい。この版は木々に藍色を配したバージョンだが、木々の緑が鮮やかなものもある。』(「文化遺産オンライン」)

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

「冨嶽三十六景《東海道品川御殿山ノ不二》」(部分拡大図)
「女をからかう坊主頭の男が背負う風呂敷に巴紋の永寿堂の家紋が入っている。」

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

冨嶽三十六景《五百らかん寺さゞゐどう》(「東京富士美術館」蔵)
葛飾北斎 (1760-1849) 天保元−天保3年(1830-32)頃 木版多色刷 25.3×37.7cm
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/199361
『(解説)
深川(江東区大島3丁目)にあった五百羅漢寺の三階からの眺め。螺旋状の階段を登ることから栄螺堂と呼ばれ、その眺望は人気があったという。人々の視線や手のしぐさ、床の板目や屋根の勾配など、西洋の遠近法でいうところの消失点が富士に集中しているところは、いかにも北斎らしい試みが伺える。左端の老人が背負った風呂敷には、山型に巴紋の永寿堂の家紋が見える。初摺りのイメージの版には左下に改印(極)、版元印(永寿堂)があり、川面のぼかしに版木の木目を使った表現が鮮明に見え、稚児の着物地の柄の出し方や、墨色の強弱に違いが見られる。』(「文化遺産オンライン」)

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

「冨嶽三十六景《五百らかん寺さゞゐどう》」(部分拡大図)
「富士山を指さしている男の風呂敷に巴紋の永寿堂の家紋が入っている。」

(参考)「をこ(痴・烏滸・尾籠)=ばかげたこと・ばかばかしい」絵の系譜

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

《放屁合戦絵巻》一巻(部分)31.0×706.5cm 室町時代 文安6年(1449)写(「サントリー美術館」蔵)

https://www.suntory.co.jp/sma/collection/tobira/06/

『 《放屁合戦絵巻》』―失われた「をこ絵」の残像―
 「勝絵(かちえ)」と呼ばれる男の陽物の大小や屁の威力を競う話のうち、後者のみをまとめた絵巻です。巻末の奥書より、文安6年(1449)に京都・仁和寺にあった絵巻を模写したものであることがわかりますが、すでに原本は失われ、当館所蔵の一巻以外に古い模本の存在は確認されていません。
内容は、法師たちが木の実などを食べて腹にガスを溜め、放屁競べを繰り広げるという奇想天外なもの。最後の一戦では、下半身を露わにした老齢の尼公(あまぎみ)と一糸まとわぬ法師が、朱扇を射落とさんと尻を突き出して屁を放っています。実はこの尼公、放屁名家の正統な後継者であり、身体の中から妙音を発する放屁の珍芸によって長者になった、お伽草子『福富草紙』で名高い高向秀武の娘だと自ら名乗っています。そのような真打ち登場に、挑戦者の法師は息むあまり手にも力が入っています。
 屁・屁・屁……と尾籠(びろう)な情景が展開する本絵巻ですが、この「尾籠」という言葉が、もともと「をこ」という古語の当て字で、やがて音読みされるようになった語であることをご存知でしょうか。「をこ(痴・烏滸・尾籠)」とは、「おろかなこと」「ばかげたこと」という意味で、かの有名な《鳥獣人物戯画》誕生よりも早く、11世紀には「をこ絵」と呼ばれる滑稽を積極的に目指した戯画の一ジャンルが成立していたことが知られます。
 平安時代末の編集とされる『今昔物語集』には、機知に富む「をこ絵」の名手として、比叡山の高僧・義清阿闍梨(ぎせいあじゃり)に関する興味深い話が出てきます。すなわち、義清は人から絵を頼まれ長い巻紙を渡されると、紙の端に弓を射る人物と、もう一方の端に的だけを描き、あとは間に長々と一筋の線を引いた。絵の注文主は紙の無駄だと腹を立てたが、義清の絵は、ただ一筆で対象を生き生きと表現した見事なものであった、と言います。
 残念ながら、『今昔物語集』に語られるような「をこ絵」の作例は伝来しませんが、現存作品の中で最も近い表現を認められるのが《放屁合戦絵巻》だと言えるのです。義清も、この屁の軌跡のように、飛んでいく矢を勢いよく墨線で表わしたのでしょう。《放屁合戦絵巻》が尾籠な絵巻だからと敬遠せず、その表象に「をこ絵」の残像を見るのもツウな鑑賞です。(上野友愛稿)』(出典:『サントリー美術館ニュース』vol.258, 2015.11, p.6)

「コレクションデータベース 放屁合戦絵巻(ほうひ かっせん えまき)

https://www.suntory.co.jp/sma/collection/data/detail?id=642

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

「屁合戦絵巻(hegassen emaki)・部分」(「早稲田大学図書館 」(Waseda University Library)蔵)
https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/chi04/chi04_01029/index.html
『内容等 Notes
29.6×1003.1cm(外寸29.6×1048.0cm)/伝覚猷画/相覧弘化3年写の写本/紙本彩色/虫損あり/巻子装』

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

『放屁図』(葛飾北斎 画/1839年)の部分拡大像(「江戸ガイド」)
https://edo-g.com/blog/2019/03/hokusai.html/hokusai67_l
「2019年大型企画『新・北斎展』の見どころをまとめてみた 初公開作品も!」
https://edo-g.com/blog/2019/03/hokusai.html

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

『開化放屁合戦絵巻』(河鍋暁斎画)(「江戸ガイド」)
https://edo-g.com/blog/2016/08/fart.html

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

「濁点のついた火に男性が放屁しています。」「ひ」に濁点で「び」。屁は「へ」。ということで、答えは「へび」。(「江戸ガイド」)
https://edo-g.com/blog/2016/08/fart.html/2

(画像)→ https://yahantei.blogspot.com/2022/11/blog-post_4.html

「あ」が「さ」っとした屁に鼻をつまんで「くさい」という男性。「あ」「さ」「くさ」。そうです。答えは「浅草」。(「江戸ガイド」)
https://edo-g.com/blog/2016/08/fart.html/2

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