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狂画の鬼才「河鍋暁斎」(その三) [河鍋暁斎]

(その三)「髑髏(しゃれこうべ)と蜥蜴(とかげ)」

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「髑髏(しゃれこうべ)と蜥蜴(とかげ)」(全十四図中の一帖)
絹本着色 個人蔵 一九・一×一四・六cm
明治二・三年(一八六、七〇)

「風俗鳥獣画譜」(全十四図)中の一帖。「髑髏と蜥蜴」は、「髑髏」の目から這い出す「蜥蜴」が難とも不気味だ。次の、北斎の「百物語(しうねん)」が念頭にあるか? 背景は広重調の風景画の雰囲気である。

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葛飾北斎「百物語」(しうねん) 中判錦絵 葛飾北斎美術館蔵 天保元年(一八三〇)
「このシリーズものは、五作が確認されている。位牌に骨壺から出てくる蛇が絡むという不気味な図。」

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伊藤若冲「髑髏図」絹本着色 一〇二・五×五ニ・六cm 台東区有形文化財 臨江寺蔵
宝暦十年(一七六〇)

近年、東京で発見された若冲四十五歳頃の作。若冲は髑髏を「人間は無から生じ、無に帰す」という禅的精神の象徴として描いたと思われる。
『反骨の画家 河鍋暁斎(狩野博幸・河鍋楠美著)』

暁斎は、これらの、若冲の「髑髏」ものも承知していたように思われる。

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