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奇想画周辺(達磨一) [曽我蕭白]

奇想画周辺(一)蕭白と墨渓の達磨図

達磨図.jpg

蕭白筆・紙本墨画・一二一・三[×]五四・五cm「達磨図」

 「見返り美人」の如き「見返り達磨」である。落款に「曽我蕭白鎮酔画」とある。大きな眼・髭、そしていわゆる「達磨被(かつ)ぎ」の法衣をまとい、典型的な「達磨」図なのだが、この視線は、どう見ても、アンチ「達磨」の形相である。
『近世逸人画史』では、「草画の如きは藁に墨つけてかきまはしたる如きものあり」と、この法衣の太い、一筆描きのような描線と、畳の上で描いたのか、畳目までが浮き彫りになっている。そして、それがまた、この達磨図を一層引き立ててもいる。
 眉毛や髭の薄墨も、蕭白がテクニシャンであることを物語っている。落款の「鎮酔画」からして、酒席での即興的な「席画」なのであろう。この「席画」の一部終始を見ていた方々は、さぞかし拍手喝采をしたことであろう。
 蕭白は、「蛇足十世孫」と堂々と名乗っているが、この「蕭白」の「白」は、真珠庵方丈の達磨図
を描いた曽我蛇足一世・墨渓の「墨=黒」から来ているのであろうか。

墨渓・達磨.jpg

墨渓筆「一休賛・達磨図」(大徳寺真珠庵)部分図








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