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狂画の鬼才「河鍋暁斎」(その二) [河鍋暁斎]

(その二)「鳥獣戯画 画稿」

猫又と狸.jpg

「鳥獣戯画 画稿 猫又と狸」一面 紙本淡彩 河鍋暁斎記念美術館 制作年不明
五三・二×六〇・六cm

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「鳥獣戯画 画稿 梟と狸の行列」一面 紙本淡彩 河鍋暁斎記念美術館 制作年不明
五七・五×六〇・八cm

「鳥獣戯画」は、伝鳥羽僧正覚猷(1053~1140)の「鳥獣人物戯画」に遡る古い画題だ。しかし暁斎の鳥獣戯画は、妖しき世界を醸し出している。実際、赤いチャンチャンコを着た猫は、尻尾が二つに分かれた妖怪「猫又」であり、狸も頭に木の葉を載せ、今まさに変化(へんげ)するところ。一方、行列をなす動物たちも曲者(くせもの)で、狐は頭に髑髏を載せた化け狐。烏帽子をつけた梟が先導し、狸が木葉を着て化け狐に乗り、蛙はその狸に大笠を差しかけている。この怪しい行列は一体何に化けるのか……。こうして動物たちさえ擬人化し、表情豊かに描く暁斎の筆力は、どこから生み出されたのだろう。暁斎にとって「写生」とは、あらゆる動物の骨格、構造や瞬間の動きを記憶してしまうことだった(モーテイマー・メンピス談)。日々写生に勤(いそ)しんだという暁斎の驚くべき記憶力と再現力があって生み出された、魅力溢れる鳥獣戯画だ。
『別冊 太陽 河鍋暁斎 奇想の天才絵師 (監修=安村敏信)』所収「作品解説(加美山史子稿)」


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狂画の鬼才「河鍋暁斎」(その一) [河鍋暁斎]

(その一)「達磨耳かき図」

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「達磨の耳かき図」(暁斎筆)絹本着色・明治四年(一七八一)以降・「太田記念美術館蔵」

 この江戸期から明治期に掛けての「狂画の鬼才・河鍋暁藤(カワナベギョウサイ)」の、この代表的な肉筆画「達磨の耳かき図」は、江戸中期から後期に掛けての、「奇想画の旗手」の一人「曽我蕭白」の「群仙図屏風」の「左隻」の一コマの、次の図に示唆を受けたことに、違和感を抱く人は少なかろう。

蝦蟇仙人.jpg
「群仙図屏風」(蕭白筆)の「左隻」(部分図・蝦蟇仙人)




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