SSブログ

北斎(その二十九) [北斎]

(その二十九)「賀奈川沖本杢之図(かながわおきほんもくのず)」

賀奈川沖本杢之図.jpg

北斎「賀奈川沖本杢之図」(横間判錦絵 二三・三×三五・三cm) 墨田区

「おしをくりはとうつうせんのづ」と共に、後年の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に繋がる作品。波には「板ぼかし」の技法で陰影が施され、立体的表現が試みられている。

「ぼかしとは浮世絵版画における摺りの技法の一種である。
空、海、山、川などの部分に濃淡をつけて空間や塊を表現するもので、文化頃から板ぼかしが使用されるようになり、天保初期から拭きぼかてなし、当てなしぼかしなどが多く用いられるようになった。
板ぼかしとは、ぼかす部分の版木を木賊、椋の葉を使用して磨いて版面に傾斜をつけて摺るとガサッとした独特のぼかし効果が得られる。うねるような土坡の表現に用いられる。歌川国虎の錦絵『近江八景 三井晩鐘』の土坡がよく知られる。
拭きぼかしとは、ぼかしたい部分の版木をぬれ雑巾で拭いて、その上を刷毛を使用して絵具をはいて摺ると水分に絵具が広がって紙にぼかしの表現ができる。水平で真っ直ぐなぼかしを「一文字ぼかし」といい、画面の最上部の一文字ぼかしを「天ぼかし」という。
当てなしぼかしとは、ぼかす部分の版木に水を垂らし、そこに絵具を含ませて摺ると、当てがなく偶然の形に滲んでぼかしが生じる。歌川広重の『名所江戸百景』におけるむら雲などの表現に使用されている。」(wiki)
コメント(0) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。