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江戸の狂画・奇想画(その六) [腹筋逢夢石]

その六 山東京伝・歌川豊国らの「犬・雀」

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『腹筋逢夢石(山東京伝作・歌川豊国画)・初編』所収「犬・雀」

 右側の「犬」は、「●黒犬 ▲斑(ぶち)犬 かけ合(あい)」という題が付いている。「掛け合い」というのは、交互に滑稽な会話を応酬し合うことで、「掛け合い漫才」と同意義。
ここでは、「●黒犬」と「▲斑(ぶち)犬」とが、延々と馬鹿話を続けている。

●手前は大分、声が涸れたぜ。▲夕べあんまり遠吠えをして声をやっつけたよ。かっぱ屋の赤めがみえねえが、どうしたなァ。●伊勢へ抜け詣りに行ったとよ。
●手前、初鰹を食ったか。▲ どうして、まだ食うものか。旦那衆せえ食わねえものを。

 というような会話である。

 左側の「雀」は、「皆の衆、あれ見やしゃれ、チョイ」「ばっち婆が転んだそうな、チョイ」「てっきり、米をこぼしたぞ、チョイ」「早く行って拾おうじゃないか、チョイ」と、雀が「チョイ・チョイ」踊りをして、掛け合いをしている。


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