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江戸の狂画・奇想画(その九) [腹筋逢夢石]

その九 山東京伝・歌川豊国らの「鳶・鴉」

鳶・鴉.jpg
『腹筋逢夢石(山東京伝作・歌川豊国画)・初編』所収「鳶・鴉」

 右側が「鴉」、踏み台の上にしゃがんでいる。左側が「鳶」、炬燵櫓の上にしゃがんでいる。
鴉 あれ見やれ、いい娘が通るぜ。あの美しい襟の中へ糞をたれこんでやるべへか
鳶 よせ よせ、悪いことをするな。
(鴉、飛ぼうとする。鳶、これを見て) 
鳶 お主や、何処へ行く。
鴉 おらあ、一寸用がある。あの屋根の漆喰の新しい火の見にとまっているのは、この頃
  来た旅鴉だ。仲間入りしてえと俺に頼んだから、一寸相談して来っぺい。同じ森に寝起きしてい  るから、うっちやっておかれめへ。

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玉子香久女(たまごのかくじょ)政演(山東京伝)画『吾妻曲狂歌文庫』より
歌は「染るやら ちるやら木々は らちもない いかに葉守の 神無月とて」


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