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朝比奈小人島遊 [歌川国芳]

その一 朝比奈小人島遊

朝比奈小人島遊.png

朝比奈小人島遊(あさひなこびとじまあそび)
大判三枚続 錦絵
右 三七・二×二五・五
中 三七・三×二五・一
左 三七・三×二五・五
一勇斎国芳戯画/芳桐印
名主双印 村松・吉村
弘化末~嘉永元年(一八四八)
彫正

http://shizubi.jp/exhibition/110709_01.php



歌川国芳(1797-1861)は、葛飾北斎(1760-1849)や歌川広重(1797-1858)と同時代に生き、武者絵に新境地を開いた人気の江戸ッ子浮世絵師です。
少年時代、浮世絵の王道・役者絵で名を成した初代歌川豊国(とよくに)に画才を見いだされ、その門人となりました。折しも『水滸伝(すいこでん)』や『八犬伝(はっけんでん)』などの小説が流行する中、国芳31歳の時「通俗水滸伝豪傑百八人之壹人(つうぞくすいこでんごうけつひゃくにんのひとり)」で脚光を浴び、空想の世界のヒーローを続々と生み出しました。また広重の保永堂版東海道五十三次を筆頭に、浮世絵界では風景画の傑作が相次いで版行された天保期、国芳は西洋画法を巧みに取り込み、光や影を鋭敏に捉えた斬新な風景画を描いています。
水野忠邦の「天保の改革」で役者絵や美人画が禁止されると、国芳はこれを逆手にとり、幕府に対して痛烈な風刺画を描き、奇想天外なアイディアの戯画などで禁令をくぐり抜けます。忠邦が失脚すると、今度は大判三枚続を活用したダイナミックな武者絵で一世を風靡しました。また国芳の猫好きは有名で、何気ないしぐさを的確にとらえた愛らしい作品を残しています。
こうした多彩な国芳の絵は、時代をこえて、浮世絵ファンのみならず、デザイン関係者や若者世代の注目を浴び、国際的にも高く評価されています。本展は国芳の没後150年を記念するもので、代表作はもちろん、新発見の傑作を多数含む421点で構成した史上最大級・空前絶後の展覧会です。
この夏、静岡市美術館で国芳の魅力をご堪能ください。


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