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讃岐院眷属をして為朝を救くふ図 [歌川国芳]

その四 讃岐院眷属をして為朝を救くふ図

讃岐院.jpg

一勇斉国芳(歌川国芳)版元・鳳来堂 住吉屋政五郎 
嘉永四年(1851)東京国立博物館蔵
大判三枚続 芳桐印
名主双印  米良・渡辺
右  37.3×25.5
中 39.1×25.5
左 37.1×25.2

www.photo-make.jp/hm_2/kuniyoshi_kisou_6.html

『珍説 弓張月』曲亭馬琴作 挿絵・葛飾北斎から題材をとっている。鎮西西八郎源為朝は、九州から京に上り平清盛を討つため舟を進めた。途中、暴風に遭い妻白縫姫は海を鎮めるため身投じる(右)。為朝は悲観して切腹しようとするが、讃岐院崇徳上皇の命を受けた烏天狗に救われる。そこに現れた巨大な鰐鮫の背に我が子瞬天丸(すてまる)と忠臣紀平治が現れ、皆は鰐鮫の背に乗り琉球に逃れる。鰐鮫は忠臣・高間太郎と彼の妻が作り出したものだった。
  異なる時間を一つの画面に配する手腕は見事であり、浪の表現は円熟した職人技を感じさせる。この表現方法は、「異時同図」という平安時代から使われた絵画技法です。現物(本物)の浮世絵では、烏天狗の姿は空押し(からおし)で摺られているのでは、と思うがどうだろう。ズーム画像を確認ください、烏天狗の輪郭が確認出来ます。おそらく三枚揃いの豪華摺りで高価であったであろう。

烏天狗.jpg

http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiGazouCard/A5_hermitage_0007_0001_0000.html


国芳 「烏天狗」(エルミタージュ美術館)
為朝の危機に駆け付けた崇徳院の眷属たち。みな山伏姿の烏天狗である。背中には大きな翼があり、海上を飛行している。肌の色はそれぞれ異なり、灰色、青、赤、中央の1体だけは鼻が大きく伸びており、両の2体は嘴である。


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